当記事の要約(えまっち私見)
リスク項目 | 可能性 | 主な論拠 |
---|---|---|
楽天カードの利用停止 | まずあり得ないレベル。 万が一あるとしても、無催告の即時停止ではなく警告が入ると思料。 | 金商業等府令で、カード購入投信でも顧客の好きなタイミングで売却させることを明記 |
楽天証券の口座凍結 | まずあり得ないレベル。 | そもそも金融商品は好きなタイミングで売り買いするのが前提である。 |
投信購入分へのポイント削減 | 可能性は低そうだが、楽天の事業戦略次第。 もしくは、早期売却分についてだけポイント付与しない、とする可能性もある。 | 証券業界No1を狙う勢いを落とさないよう、顧客側の最大限のメリットを削ることは当面しないのでは。 |
カード売却代金が引落後に着金するよう仕様変更 | 大いにあり得る。 | エポスカード x tsumiki証券で既に導入済み。 もしも社会問題化すれば楽天側が重い腰をあげて対応するかも。 |
- 情報は安易に鵜呑みしない。必ず一歩引いて考えるクセを付けて、デマ情報の拡散に寄与しないように。
- 他者の批判はどんどんすべき。でも、きちんとした論拠を伴って。
- 投資とは、世間の歪みを利益に換えていくもの。ルールの穴を突こう。
500P製造スキーム概要:楽天カードで投信購入→即売り
私は、常日頃から以下のような手法を紹介してきました。
楽天ポイントを極めて低リスクで毎月500ポイント獲得するやり方となっています。
- 第1営業日:
楽天証券で、国内債券型の投資信託5万円(=月間購入上限額)を楽天カード決済で積立購入する- 決済代金5万円の1%分(=500P)の楽天ポイントが翌月15日前後に付与される
- 第2営業日:
投信が売却可能となるので、売却する - 第5営業日:
投信売却代金が銀行口座に着金 - 27日:
楽天カードの利用代金の引落
- Twitter投稿
楽天カードx楽天証券で毎月500P製造機❣️
— えまっち💰闇ポイ活銀行員 (@ematty_investor) December 11, 2020
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- ブログ解説記事
しかるに昨今、この手法については大きなリスクがある!と言われてTwitter上でちょっとした話題になっていました。
一部の方々の間で騒がれているリスクと、その事象が起こり得るようなものなのか、当記事では検証していきたいと思います。
法学部を卒業して現役銀行員として働いているえまっちが考察していきたいと思います!
投信即売りだとクレジットカード利用停止になるかもしれない!?
最大のリスクとして一部の方々に言われているのは、以下です。
楽天カード決済により購入した投資信託の即売り行為は、換金目的のクレジットカード利用であると見なされて、楽天カードの利用が停止されるリスクがあるかもしれない!(楽天カード会員規約第19条)
こうした主張が引き金となってか、もともと投信即売り手法を紹介していた私も、Twitter上で結構な陰口を叩かれているのが目に付きました(口が悪い方の中には、以下のような罵倒的表現もありました😢)。
投信即売りでクレジットカードの現金化を指南する馬鹿
さすがの私でも傷つくよね。。ぴえん🥺🥺🥺
言われてみれば確かに、楽天カードの利用代金の引落が当月27日であるのに、カード決済で購入した代金は最速で当月5営業日目に自身の銀行口座に着金してしまいます。
したがって、「換金目的とした商品購入」という規約に抵触してしまうおそれがある、という弁には一見すると合理性があるようにも思えます。
クレジットカードで金融商品を購入することに関する法令
以下、説明で触れる法令は結構長くて複雑な文章で構成されているので、いちいち原文を引用しません。
興味がある方は各リンク先で条文を見にいってください。
(そっ閉じするとは思いますが。)
そもそも、クレジットカードで投資信託を購入することに関しては、法令上どのように定められているのでしょうか?
クレジットカードで投資をできるサービスを顧客に提供するのは、お金を貸して投資をさせる行為と等しいので、株式等の信用取引を除いて原則禁止されています(金融商品取引法第44条の2)。
ところが、金融庁の規制緩和により、以下のような要件(一部抜粋)を満たしたクレジットカード決済の投信購入サービスについて、例外的に認められています(金融商品取引業等に関する内閣府令第148条)。
- 投信の購入代金が、カード会社へ2ヶ月以内に一括払いされる仕組みになっていること
- 1人の顧客が購入できる投信の上限金額が毎月10万円以内であること
- 投信の購入が積立方式であること
- 顧客から申出があれば売却できること
赤字で示したところがポイント。
そもそも金融商品はいつでも売却できて当たり前ではあるのですが、「クレジットカードでの購入だからって売却タイミングに制限は付けるなよ」ということですね。
つまり、カード決済で購入した投信を即売りしたところで、それは金商業等府令で明記されているルールの枠内の行為というわけです。
したがって、投信即売りを理由として顧客のカードの利用停止措置を行うのは金商業等府令の趣旨に著しく反する行為であるため、楽天カードが実施する可能性はあり得ないレベルで低い、というのが私の見解です。
- クレジットカードによって購入された投信であっても、顧客が希望するタイミングで売却に応じるのが、金商業等府令により明記されている義務である。
- よって、投資家の投信即売りは法令に認められたものである。
- それなのに、投信即売りを理由にカードの利用停止措置行うとすれば、それは金商業等府令の趣旨に著しく反する行為といえる。
- したがって、カードの利用停止措置が取られる可能性は、まずあり得ないレベルで低いものと考えられる。
警告が来る可能性について(参考:「LINEワンコイン投資」のケース)
上述のとおり、投信即売りを理由として無催告で楽天カードが利用停止されることはまずあり得ないレベルと言ってよいでしょう。
ですが、投信即売りでクレジット利用ポイントを稼ぐ行為は楽天にとって都合が悪いと思われた場合、何らかの警告メールが来る可能性がほんの少しあるかもしれません。
例えば、これはクレジットカードによる投資ではないケースですが、2019年10月~2020年3月にかけて、私を含めポイ活の愛好者たちの間では「LINEワンコイン投資」が流行りました。
この手法の概要は以下です。
- LINEスマート投資というサービス内のロボアドバイザー投資で、500円~10万円の範囲で毎週投信積立ができる
- LINE Payからの引落額に対して2%のLINEポイントが還元されるので、毎週10万円を拠出すればその2%=2,000Pが獲得できる
- 購入した投信を翌日に売却・現金化して、翌週の積立資金に回すことを繰り返す
たとえ手持ち資金がそんなに多くなくても、投信即売りで10万円を右から左にコロコロと転がすような作業をすれば毎週2,000Pを獲得できてしまう仕組みになっていたわけですね!
ただ、このやり方が流行り始めてすぐに、短期売却を繰り返すユーザーに対して運営会社のFOLIOから警告メールが送られてくる事態となりました。
この度、当社の取引モニタリングにおいて、積立投資というワンコイン投資サービスの性質にそぐわない不自然なお取引が発見されたお客様にご連絡申し上げております。
当社としましては、引き続きお取引について注視し、懸念が考えられるお取引に関してはさらなる個別の調査を行う所存です。個別の調査においては、お客様に事情をお伺いすることがございます。
また、調査の結果、法令諸規則に違反する場合、当社との取引約款等の解約事由に該当する場合、または投資資金の自動引き落としを行っているLINE Pay株式会社の各利用規約(LINE Moneyアカウント利用規約、LINE Payボーナス利用規約)の禁止事項に該当する場合には、各規定に従って、厳正な措置を取る所存です。
お客様におかれましては、以上にご留意頂き、適正にサービスをご利用頂きます。
このように短期売却を牽制されてしまったのですが、私は以下のように運用サイクルを切り替えました。
LINEワンコイン投資に充てられる手元資金を40万円~50万円ほど確保しておき、毎週10万円を拠出し続けて、1ヶ月に一度の投信売却を行うようにしたのです。
その後はFOLIO側から警告が来ることはありませんでした。
ちなみに2020年3月にはコロナショックで運用資産が大きく毀損してしまったため、私はLINEワンコイン投資では約2万円の損失で終了してしまいました。
他方で、10万円の拠出で2,000Pを獲得するのを20週以上も継続したため、獲得できたLINEポイントは4万P以上でした。
したがって、トータルでは実質2万円相当以上の利益を出して終わることができたのです。
すなわち、たとえ運営会社の匙加減で何らかの警告が来ることはあっても、その警告を受けた後で最適な行動を考え直せばよいと思います。
もちろんFOLIOと楽天証券では事業規模に天と地ほどの差がありますが、このように警告が来るケースは存在するよ、と参考にしておきましょう。
- たとえ何らかの措置が取られる場合でも、無催告で実施されることは極めて稀である。
- 万が一、運営会社から警告を受けた場合は、その後で投資行動を考え直せばよい。
投信即売りに関する、その他リスクの検証
楽天証券の口座凍結リスクは?
「楽天カードが取引停止になったうえに、楽天証券の口座が凍結されるおそれがある!」
このように言う方も散見されましたが、これは楽天カードの取引停止以上にあり得ないレベルのお話です。
株のデイトレーダー等で、取引が早すぎることを理由に証券会社から警告を受けたり、ましてや証券口座が凍結された方がいたら教えてください。
そして投資信託の取引に関しては、購入日からどんなに早くとも翌営業日での売却となるので、口座凍結などなおさらあり得ない話です。
いつでも取引できて当たり前なのが金融商品ですので、投信即売りを理由に証券口座を凍結するとしたら、それはもう証券会社としての体をなしません。
投信購入分のカード決済代金に関して楽天カード利用ポイントが付与されなくなるリスクは?
楽天カード決済で購入した投資信託を短期売却した分について、楽天ポイントが付与されなくなる可能性はあるのでしょうか?
これは金融関係法令には関わらず、楽天カード側の匙加減ひとつで決められることですので、楽天カードの利用停止や楽天証券の口座凍結といった突拍子もないトンデモ話に比べたら、可能性は大きいと思います。
昨今の楽天グループは全体的にポイントのバラマキが縮小傾向にあります。
- 2021年1月:楽天市場で転売目的で購入された疑義のある商品購入分について、SPUを付与しない措置が取られるケースが相次いだ。
- 2021年2月:楽天市場のお買い物マラソンでの買い回りの上限ポイントが10,000Pから7,000Pに変更された。
こうした流れに鑑みれば、投信即売り行為など無関係に楽天カード決済分の投信について楽天ポイント付与の縮小または廃止となっても全くおかしくありません。
そもそも、投資の世界で無条件に事実上1%の利回りボーナスをくれるのが恐ろしくオトクなバラマキだっただけです。
とはいえ、楽天がこれを改悪する可能性は当面は低いかな、と思います。
楽天は証券分野に注力しており、たとえば証券口座で見ると現時点で業界ナンバーワンのSBI証券(550万口座)に追いつき・追い越せという勢いで追随しています(2020年12月15日楽天証券プレスリリース(PDF)より)。
カード決済での投信積立に1%のポイントを付与するのは楽天証券の最大級の魅力ですので、ここを削るのは考えにくいかなと感じます。🤔
たとえ削るとして、「あまりにも早い投信売却は付与対象外」という措置が取られる可能性もあります。
その場合は先述の「LINEワンコイン投資」のケースのように1ヶ月など相当程度の期間を空けてから売却するなど、ルールに合わせて対応していけばよい話かと思います。
ま、いずれにせよこれはもちろん楽天の事業戦略次第ですがね。😅
投信売却代金の着金が、カード代金の引落後に変更されるリスクは?
現在の楽天証券のクレジットカード決済での投信即売りをする場合の運用サイクルをおさらいしましょう。
購入額上限 | 5万円/月 |
購入約定日 | 第1営業日 |
売却可能日 | 第2営業日 (メールで通知が来る) |
売却代金の着金日 | 第5営業日 |
クレカ代金引落日 | 当月27日 |
ポイント還元率 | 1.0% |
カード代金の引落日(27日)より前に、投信売却代金が当月5営業日目に着金します。
これまで述べてきたとおり、法令に決められたルール内で投信即売りをした結果として、事実上クレジットカードのショッピング枠が現金化できてしまっています。
これは楽天側が現金化をできない仕様にしたければ変更する、というだけの話です。
実際、クレジットカードを利用した投信積立サービスの中には現金化をできない仕様にしているものもあります。
エポスカードを利用した投信積立サービスを提供するtsumiki証券では、投信即売りした際の毎月の運用サイクルは以下のようになっています。
購入額上限 | 5万円/月 |
購入約定日 | 当月10日前後 |
売却可能日 | 約定日の翌営業日 (メールで通知が来る) |
クレカ代金引落日 | 当月27日 or 翌月4日 |
売却代金の着金日 | クレカ代金の引落確認後 (引落の2営業日後が目安) |
ポイント還元率 | 0.1%~0.5% |
このように、エポスカードではクレジットカードのショッピング枠の現金化を防止する観点から、エポスカード決済の未入金分については投信売却代金が顧客側に着金しない措置を取られています(公式FAQでも言及)。
なおエポスカードについては詳しく解説した記事がありますので、ご興味ありましたらご覧ください。
ですので、この件に関しては楽天側も同様に投信即売り時は売却代金の入金をカード利用代金の引落後に変更する、という可能性は大いにあると考えた方がよいでしょう。
現時点では、たかだか5万円の事実上現金化という軽微なものは黙認しているような状態と言えますが、これが大きく騒がれたりして社会問題化するような場合に楽天側が重い腰を上げて動き出す、という線も考えられます。
というか、この仕様変更が入れば投信即売りでクレジットカードの現金化だの言う人はいなくなるので、個人的にはリスクというよりむしろ実施してほしい施策だと感じています。
投信即売りに関するリスクのまとめ
カード決済した投信を即売りする手法について、これまで述べてきた私見を以下にまとめます。
リスク項目 | 可能性 | 主な論拠 |
---|---|---|
楽天カードの利用停止 | まずあり得ないレベル。 万が一あるとしても、無催告の即時停止ではなく警告が入ると思料。 | 金商業等府令で、カード購入投信でも顧客の好きなタイミングで売却させることを明記 |
楽天証券の口座凍結 | まずあり得ないレベル。 | そもそも金融商品は好きなタイミングで売り買いするのが前提である。 |
投信購入分へのポイント削減 | 可能性は低そうだが、楽天の事業戦略次第。 もしくは、早期売却分についてだけポイント付与しない、とする可能性もある。 | 証券業界No1を狙う勢いを落とさないよう、顧客側の最大限のメリットを削ることは当面しないのでは。 |
カード売却代金が引落後に着金するよう仕様変更 | 大いにあり得る。 | エポスカード x tsumiki証券で既に導入済み。 もしも社会問題化すれば楽天側が重い腰をあげて対応するかも。 |
リスク評価はあくまで私見です
これまでの説明で法令だのを使っておきながら、身も蓋も無い話ですが、この世の中のほぼすべての事象に絶対と言えるものはありません。
法(ルール一般という広い意で捉えてください)というのは、何かしっかりとした確定的な規範を示したものであるように誤解されがちですが、実は物凄く曖昧なものです。
利用規約は運営会社の匙加減でどうにでも運用される。
裁判に発展しても、時代や社会の影響を受け、裁判官によっても判断は区々であり、判決文には「社会通念上相当」といった語句が頻発します。
リスク項目について、どのくらい蓋然性(がいぜんせい=そうなるだろう、の意)があるのか、所与の事情を斟酌・総合判断したうえで最適な行動を取るしかありません。
そして万が一リスク事象が発生した際に、耐えられる内容なのか、その後にどういった行動を取ればよいのか、頭の中でイメージできるようになると、不安感は和らぐと思います。
- リスクと騒がれる項目について蓋然性はどの程度あるのか
- リスク事象が具現化した際に耐えられる内容なのか
- リスク事象が具現化した際にどのような行動を取るべきか
これらを総合的に判断し、自身にとって最適な期待値になると思える行動を取ればよい。
リスク許容度は人それぞれ
ちなみにリスクの許容度も人それぞれです。
例えば今回のケースだと、「万に一にでも楽天カードが利用停止されたくない!だって私のカードはブラックカードだもん!」という方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方は、クレジットカードで投信購入など一切やめればよいのです。
だって、投信自体いつかは換金するのが前提の金融商品なのですから、購入時点で換金目的と見なされてしまうリスクもゼロではないでしょう。
同様に高額家電やチケット類等の購入時も、万が一にでも換金目的と指摘されることを避け、楽天ブラックカードは後生大事に貴重品箱か神棚にでもしまっておけばよいでしょう。
心配性な方の気分が休まるのであれば、その方にとってはそれが最適な行動であり、個人の自由です。
その他、いただいた声について
投信即売りについて、リスク事象以外にも様々な声が散見されました。
それらについて、私なりにどのように考えているか、ピックアップして言及していきたいと思います。
まじめに長期保有目的でカード積立している人に対する迷惑行為だ
- 投信即売りスキームが広がり過ぎると、カード決済での投信積立に楽天ポイントが付与されなくなる危険性がある。
- その場合、せっかくまともに長期保有目的で積立をしている人たちが迷惑を被ることになる
この側面は無きにしも非ずですので、お気持ちはわかります。
ただ、投信即売りスキームを実施しているのは、毎月投資に5万円も拠出する余力がない方々です。
すなわち、ご批判の裏には「まともに5万円も投資できない貧民ゴミクズ乞食ども」といった蔑みの情が見え隠れし、「俺たちゃ金持ち(キリッ)」的な選民思想のようなものを禁じえません。
ご自身が知らず知らずのうちに反感を買っている傾向があると思いますので、留意されたほうがよいかと個人的には思います。
改悪が早まるから拡散を止めろ
前述のご批判と似たようなものですが、特に私のような情報発信者へ向けられたお言葉かと思います。
ご自身の利益が損なわれる危険があることから、お気持ち非常にわかります。
既知の情報なのに盛り上がっていたりすると、面白くないというお気持ちも理解できます。
ただ、これについては社会の構造上どうしようもない問題かと思います。
私のような情報発信を生業としている者にとって、発信を止めることは死に等しく、常に皆様からの視聴数を集め続けなければならないのです。
無料で薄く広く利益を得させていただいているのが不可能になると、ビジネスモデルを抜本的に見直さざるを得なくなります。
そして遅かれ早かれ情報は陳腐化し、価値がなくなり、新たな情報にアップデートし続けなければならないのです。
また、S級の情報であればあるほどネット上に落ちている度合いは低くなります。
あなたが手にしている情報の大半はそこまで大した事のない情報であり、それが改悪される・されないでいちいち大騒ぎしているようだと、ご自身の情報の引き出しの底が知れてしまいます。
いつ何が改悪されてもやむを得ない、仮に改悪されてもそれまでしっかりと先行者利益を得よう、と泰然自若としたスタンスでいた方がよろしいかと思います。
倫理的・道義的に問題行為だ
オトク活動と倫理観の問題はなかなか難しいですよね。
何がセーフで何がアウトかは、結局のところ多数派に嫌われないかどうか、で決まってくると言えそうです。
嫌悪感を多くに抱かれてしまうと、それが多方面で実害として跳ね返ってくることもしばしばありますので、賛否両論ありそうな行為はリアルでは理解のある友達だけにシェアする、等のリスクヘッジは念頭に置くのがよいかもしれません。
なお、自身が抱く倫理観の線引きには、「自身がやっているか否か」で多分にバイアスがかかる傾向も意識した方がよいでしょう。
無意識に、自身がやっていることは善、やっていないことは悪と見なしてしまう傾向があります。
今回の投信即売りを非難している方で、以下のような方いませんでしたか🤔
- 楽天市場を転売目的で利用する
- (1人1個と明記されているのに)「複数の電話番号を持っていれば、何個でもおにぎり無料クーポン取れちゃうよ🍙」とツイートする
他者の行為を非難する際に、自身にブーメランが返ってくると情けないですからね。
投信即売りで500Pを拾ったところで、時間単価的に割に合わない
「たかが500Pのためにアホくさい。時間単価を考えろよ」
このような声もありましたが、これは人によると思います。
投信即売りは、一度設定してしまえば以下ツイートのとおり、月初第2営業日にスマホでポチポチ1分で完了する作業です。
【月初2営業日目のルーチンワーク】
— えまっち💰闇ポイ活銀行員 (@ematty_investor) December 2, 2020
楽天証券x楽天カードの月500P製造機をやっている方は、忘れずに済ませましょう。
1分もかからない作業です☺️
楽天証券アプリ
▶投資信託保有商品一覧
▶e Maxis slim国内債券インデックスを売却
売却操作から3営業日後に売却代金が着金します💰 https://t.co/BZQefjQlJz pic.twitter.com/3A3Q9DxIiV
この作業がもたらす時間給について、2つのケースで考えてみましょう。
- 上限5万円分の投信すべて即売り
- つみたてNISAで33,333円は長期保有目的で、それ以外の16,667円分の投信を即売り
一連の購入即売り手法部分について、作業時間1分を投じて得られる取得ポイントから導かれる時給換算金額は以下のとおりです。
即売り額 | 取得P | 時給換算 |
---|---|---|
❶50,000円 | 500P | 30,000円 |
❷16,667円 | 167P | 10,020円 |
よって、時給換算が3万円ないし1万円以上の方であれば、時給換算的に無意味だ、という選択は正当化されます。
私は❷のケースですが、会社員としての時給はたぶん2,000円かそこらなので毎月2営業日目には「ありがたや~!」と思いながら当作業をしています。
ま、そもそも論で言うと、当該作業をしないケースでもたいていは別に働くわけでもなくお家でゴロゴロしている時間が1分長くなるだけでしょうから、この種の議論は机上の空論でしかないんですけどね。😅
結局は、落ちているお金を拾いに行くか否か、それだけだと思います。
あと、拾いに行かなくてもそれは個人の自由なんですが、他者の作業を蔑むような言い方をすると嫌悪感を招きますのでご留意を。
「コンビニバイトは底辺がやる仕事!」みたいな感じですね。
楽天グループへの迷惑行為だ
企業側の利益をきちんと考えられる、素晴らしい精神だと感服いたします。
ぜひ楽天証券で割高ファンドを大量に買って、楽天カードで多額のリボ払いをして貢献してください。
その他、所感
今回の件で、様々思うところがありましたので、コメントしていきたいと思います。
情報を安易に鵜呑みにしない
- 楽天カードの利用停止リスク
- 楽天証券の口座凍結リスク
正直なところ、こういったのは「明日隕石が落ちてくるかもしれないから外に出るのは危ないよ!」というレベルで、デマ同然の発信に感じました。
会員規約といった断片的な情報を用いて、まことしやかに発信されると信じてしまいがちになるのも無理はありませんが。
SNSのフォロワー数が多めの方でも、おかしな発言をしてしまうのはたびたびあります。
情報の受け手としては、常に「せやろか?」と一歩引いて考えるクセを付けた方がよいでしょう。
知らず知らずのうちに扇動されたり、デマの拡散に加担することのないようにお気を付けて。
他者の批判はしっかりとした論拠で
インフルエンサー等がよく「他人はディスらないようにしよう!」と言いますが、それは自分が批判されたくないだけの都合の良いポジショントークです。
日本には言論の自由があり、どんどん他者を批判すべきだと思います。
批判によって、
- 内容の不備の指摘・拡充
- 新たな視点の提供
など、社会にもより良い影響を与えていくものと考えています。
ただ、言論には責任も伴います。
中途半端な論拠だと、カウンターパンチを食らって自身の思考の浅薄さを露呈することにも繋がります。
もちろん、過度に発言を委縮する必要はなく、おかしなことを言ってしまった場合は訂正など然るべき対応をしていけばよいでしょう。
ルールの穴を突け!歪みを利益に換える
正直なところ、投信即売りで毎月500Pを取得する手法はインパクト的に全く大したことはありません。
ただ、これは金融やキャッシュレスなどのルールを正しく理解したうえで、その穴を突けば極めて低リスクで錬金術ができるのだと実感できる初歩的な教材としての意味合いが大きいと感じています。
世間的にまだ殆ど気付かれていないような事柄を多くストックし、ご自身なりの大技小技を見出して駆使すれば資産形成をブーストしてくれると確信しています。
そして昨今のポイ活・コジ活の世界にも、チャンスが至る所に転がっています。
決して偉そうに言える立場でないのは重々承知しているつもりですが、皆様がいろんな案件に取り組む中で、嗅覚を研ぎ澄ましていく一助になればと願いつつ今後とも発信していく所存でございます。
私もまだまだ修行中の身、精進しなきゃ!
ご覧いただきありがとうございました。
当記事のまとめ(えまっち私見)
リスク項目 | 可能性 | 主な論拠 |
---|---|---|
楽天カードの利用停止 | まずあり得ないレベル。 万が一あるとしても、無催告の即時停止ではなく警告が入ると思料。 | 金商業等府令で、カード購入投信でも顧客の好きなタイミングで売却させることを明記 |
楽天証券の口座凍結 | まずあり得ないレベル。 | そもそも金融商品は好きなタイミングで売り買いするのが前提である。 |
投信購入分へのポイント削減 | 可能性は低そうだが、楽天の事業戦略次第。 もしくは、早期売却分についてだけポイント付与しない、とする可能性もある。 | 証券業界No1を狙う勢いを落とさないよう、顧客側の最大限のメリットを削ることは当面しないのでは。 |
カード売却代金が引落後に着金するよう仕様変更 | 大いにあり得る。 | エポスカード x tsumiki証券で既に導入済み。 もしも社会問題化すれば楽天側が重い腰をあげて対応するかも。 |
- 情報は安易に鵜呑みしない。必ず一歩引いて考えるクセを付けて、デマ情報の拡散に寄与しないように。
- 他者の批判はどんどんすべき。でも、きちんとした論拠を伴って。
- 投資とは、世間の歪みを利益に換えていくもの。ルールの穴を突こう。