当記事の要約
国税庁タックスアンサーの記載事項
ポイント付与・使用場面 | 課税の取扱い |
---|---|
通常の買い物で付与・使用 | 非課税(確定申告も不要) |
臨時・偶発的なポイント付与 | 一時所得・使用時点で課税 |
医薬品の購入にポイント使用 | ・医療費控除はポイント使用後金額 or ・医療費控除はポイント使用前金額 ・ポイント使用額は一時所得で課税 |
株式等の購入にポイント使用 | 一時所得・使用時点で課税 |
ポイントサイト関係の税務(えまっち私見)
ポイント獲得方法 | 所得区分 |
---|---|
サイト経由のサービス申込 | 一時所得 |
サイト内のモニター・アンケート | 雑所得 |
友達紹介制度 | 雑所得or事業所得 |
国税庁タックスアンサーはポイ活ユーザー全員必読!
長らく、ポイントに関する税制は何一つ決まっていませんでした。
2021年現在も未確定要素は多いものの、目下のところ以下の国税庁タックスアンサーがポイ活関係の税務処理を考えるうえで根拠とすべき文書です。
「No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」(2020年1月14日発表)
これは法令ではないものの、よくある質問への回答をまとめた国税庁の提示文書であり、国税庁の見解を示したものとして貴重なものです。
まず、こちらの文書を一緒に丁寧に読み解いていきましょう。
通常のお買い物でのポイント付与=単なる値引き。所得計上は不要
まず、お買い物の際にポイントを付与され、次回以降のお買い物でポイントを使用したというシチュエーションについてですが、非課税(確定申告の義務なし)と明示されています。
問
私は、ドラッグストアで商品を購入する際に、同ストアが発行するポイントの付与を受けました。このポイントは、次回以降の買い物の際に、1ポイント1円に換算して、決済代金の値引きや景品との交換などに使用できるものです。
その後、そのポイントを商品購入の際に使用しましたが、私が取得又は使用したポイントについて、所得税の確定申告は必要になりますか。
答
原則として、確定申告をする必要はありません。
このとおり、原則として確定申告は不要です。
以下、その趣旨が説明されています。
(説明)
🔹商品購入に対する通常の商取引における値引きを受けたことによる経済的利益については、原則として課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱っています。
🔹一般的に企業が発行するポイントのうち決済代金に応じて付与されるポイントについては、そのポイントを使用した消費者にとっては通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられますので、こうしたポイントの取得又は使用については、課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱うこととしています。
つまり、日常のお買い物での単なる「値引き」に過ぎず、課税されるべき利益を得ていない、ということですね。
通常のお買い物の決済代金に応じてポイントを付与され、後日ポイントを使用しても、それは単なる「値引き」であり、経済的利益が発生していない。
➡非課税(確定申告は不要)
臨時・偶発的な取得ポイントは「一時所得」で課税対象
通常のお買い物で付与される類のものではない、臨時・偶発的に取得したポイントについては、以下のとおり「一時所得」として課税対象となります。
(注)
ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなどして臨時・偶発的に取得したポイントについては、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとは考えられませんので、そのポイントを使用した場合には、その使用したポイント相当額を使用した日の属する年分の一時所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。
労働や資産の譲渡による対価でなく、一時的な性質の所得。
主な一時所得の例は以下。
- 懸賞の賞金
- 競馬、競輪の払戻金
- 福引の当選金品
- 生命保険契約の満期保険金
- 損害保険契約の満期返戻金
イメージ的には、一時所得は棚ボタ的に貰ったお金と考えておけばよいでしょう。
一時所得の課税ルールは以下のとおりです。
(収入金額-必要経費-50万円)÷2
上記で算出された金額が課税対象の所得に算入され、総合課税されます。
一時所得で儲けた分は、年間50万円まで非課税!
さらに、50万円を超えたとしても課税対象の所得額への算入は2分の1にしてくれる!
一時所得って納税者にとって凄く有利だね💓
【重要・朗報】ポイントの課税タイミングは「取得時」ではなく「使用時」である
先ほどの国税庁タックスアンサーを再掲します。
臨時・偶発的な取得ポイントについては「一時所得」であるほか、課税タイミングについて重要なことを明示しています。
(注)
ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなどして臨時・偶発的に取得したポイントについては、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとは考えられませんので、そのポイントを使用した場合には、その使用したポイント相当額を使用した日の属する年分の一時所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。
つまり、「ポイント付与時点」ではなく「ポイント使用時点」で課税される年が判定されるのです。
これは納税者にとっては歓迎すべき考え方です。
なぜなら、課税タイミングを納税者自身でコントロールできることになるからです。
以下のケースを例に見てみましょう。
懸賞で取得した100万ポイントを使用する場合。
- 2021年に100万ポイントを使用する
- 2021年に50万ポイント、2022年に50万ポイントを使用する
この❶❷でどのように違いが出るのでしょうか。
一時所得ルールは以下のとおりでしたよね。
(収入金額-必要経費-50万円)÷2
❶2021年に100万ポイントを使用する
2021年分の一時所得の課税対象金額は、
(100万円-50万円)÷2=25万円
よって、25万円が課税対象の所得に算入され、当人の所得に応じて約15%~55%の税率が掛けられて総合課税されることになります(所得税・住民税を合算)。
❷2021年に50万ポイント、2022年に50万ポイントを使用する
この場合、年間の一時所得は50万円以内なので2021年、2022年ともに非課税となります。
年間50万円以内でポイントを使用するようにコントロールすれば、一時所得は非課税で済ませられちゃうね!😄
医薬品代金にポイント使用:医療費控除との関係で「値引き」or「一時所得に算入」かを選択する
さて、先述のとおり通常のお買い物の場合は単なる値引きとして非課税・確定申告不要と済ませばいいとのことでした。
ですが、医薬品の購入といった医療費控除を意識する場面においては考慮が必要です。
<参考>
ポイントを使用して医薬品購入の決済代金の値引きを受けた場合など、所得控除の対象となる支出にポイントを使用したことが明らかな場合には、
① ポイント使用後の支払金額を基に所得控除額を計算する方法
② ポイント使用前の支払金額を基に所得控除額を計算するとともに、ポイント使用相当額を一時所得の総収入金額として算入する方法
のいずれかの方法により、所得金額及び所得控除額を計算してください。
つまり、医薬品の購入時にポイントを使用した場合は以下の選択をすることとなります。
- ポイント使用(=値引き)後の金額を医療費控除に算入
- ポイント使用前の金額を医療費控除に算入
ポイント使用分は一時所得に算入
具体的な例を考えてみましょう。
5万円の医薬品を購入する際に、以下のように支払いをしました。
- 現金で支払い:3万円
- ポイントで支払い:2万ポイント
この場合、以下①②から納税者自身が選択することとなります。
- 医療費控除に算入する金額:3万円
- 医療費控除に算入する金額:5万円
一時所得に算入する金額:2万円
医療費控除については、
- 通常の医療費控除(通院、入院、出産、医薬品の購入など)
- 医療費控除の特例のセルフメディケーション税制(一定のスイッチOTC医薬品の購入など)
どちらかを納税者自身が選択して適用します。
項目 | 所得控除額 | 控除額上限 |
---|---|---|
通常:医療費控除 | 支払金額-保険金で補填される金額-10万円 | 200万円 |
特例:セルフメディケーション税制 | 対象医薬品代金-12,000円 | 88,000円 |
医療費負担が10万円を超えたり、セルフメディケーション税制対象医薬品購入代金が12,000円を超える世帯は有利な方を選択しましょう。
なお医療費控除の適用を受けるためには確定申告で明細書を作成・提出するほか、自宅で領収書を5年間は保管する義務があります(国税庁PDF)。
一方で、一時所得のルールは、以下となります。
(収入金額-必要経費-50万円)÷2
つまり年間50万円以内の収入額であれば、一時所得は非課税です(確定申告義務もなし)。
一般的に、一時所得が年間50万円を超えるような場面は稀でしょうから、大半の方は以下❷のように経理処理をするのがオトクかと思います。
医薬品5万円の購入(現金3万円、ポイント2万円相当で支払い)
- 医療費控除に算入する金額:3万円
- 医療費控除に算入する金額:5万円
一時所得に算入する金額:2万円
いずれにせよ、個々のご家庭の事情によって、どちらがオトクかをきちんとシミュレーションしましょう。
なお、医薬品代金のレシートに現金・ポイントが混在したりするとスッキリしないので、そもそも医療費控除を意識する場面のお買い物では極力ポイントを利用しないでお買い物したほうが無難かなと個人的には感じます。
株式等の取得費にポイントを充当した場合は「一時所得」に計上する
通常のお買い物ではなく、証券会社で株式等の金融商品を取得した場合の取扱いは以下のとおり一時所得に算入すると示されています。
(注)
証券会社等においてポイントを使用して株式等を購入した場合、一般的には、その株式等の取得価額(取得費等)はポイント使用前の支払金額(ポイント使用相当額を含めた支払金額)を基に計算するとともに、ポイント使用相当額は一時所得の総収入金額に算入します。
具体的なケースを見てみましょう。
- 2021年に、100万ポイントを使用して100万円分の株式を取得した。
- ❶で購入した株式が取得時の100万円から200万円に値上がりしたので、2022年になってから売却して利益確定した。
まず一時所得のルールは以下のとおりでしたよね。
(収入金額-必要経費-50万円)÷2
❶2021年に、100万ポイントを使用して100万円分の株式を取得した。
2021年分の一時所得の課税対象金額は、
(100万円-50万円)÷2=25万円
よって、25万円が課税対象の所得に算入され、所得に応じて約15%~55%の税率が掛けられて総合課税されることになります(所得税・住民税を合算)。
次に、証券に関する課税関係は上記の一時所得とは別物として考えます。
❷❶で購入した株式が取得時の100万円から200万円に値上がりしたので、2022年になってから売却して利益確定した。
まず2021年中に100万円相当のポイントで株式を取得しましたが、売却をしていないので、当年中は課税されません。
その後、2022年に200万円で売却したので、売却益は
200万円-100万円
すなわち100万円の売却益に対して、譲渡所得として約20%(厳密には2037年まで復興増税が加算され20.315%)が分離課税されます(所得税・住民税を合算)。
株や投信などの金融商品の購入にポイントを充当したら、ポイント使用額が当年中の一時所得に算入される
国税庁タックスアンサーのまとめ
国税庁タックスアンサーに記載されていることのまとめは、以下のとおりです。
ポイント付与・使用場面 | 課税の取扱い |
---|---|
通常の買い物で付与・使用 | 非課税(確定申告も不要) |
臨時・偶発的なポイント付与 | 一時所得・使用時点で課税 |
医薬品の購入にポイント使用 | ・医療費控除はポイント使用後金額 or ・医療費控除はポイント使用前金額 ・ポイント使用額は一時所得で課税 |
株式等の購入にポイント使用 | 一時所得・使用時点で課税 |
国税庁のタックスアンサーはポイント税務の根拠として非常に大事!
しっかり読み込んで理解しておきましょう😊
ポイントサイトの税務関係
ここまでは、国税庁のタックスアンサーを一緒に読み解いてきました。
それでは、ポイントサイトを利用したポイ活で取得するポイントについての税務関係はどうなっているのでしょうか?
現状、ポイントサイト周りの税務をズバリと規定した法令や税務当局の見解等は一切ありません。
そのため、国税庁タックスアンサーを主な根拠にしつつ、税務理論や社会慣行といった様々な点を総合的に考慮して妥当な税務処理を行う必要があります。
ポイントサイト経由のサービス申込:一時所得
ポイントサイトを経由して何らかのサービスへの申込やショッピングを行うことでポイントを得る場合、以下の理由から一時所得が妥当であると考えます。
- 臨時的に取得するポイントである
- 単にポイントサイトを経由するだけなので、労務の対価ではなく棚ボタ的に与えられるポイントである
もちろん、一時所得と考えて絶対に大丈夫!とは決して言えません。
むしろ、大いにツッコミを入れられるリスクはあります。
FX案件で取引額ノルマをこなしたり、クレジットカードの発行案件で利用額ノルマをこなすのは労務の対価で雑所得と言えそうですね!
一時所得が年間50万円まで非課税であるのに比べて、雑所得は納税者にとって大幅に不利です。
雑所得の場合、給与所得者であれば年間20万円超で所得税の確定申告義務が発生。
また、給与所得者の雑所得が年間20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、厳密には市区町村に住民税については申告義務があり納付しなければなりません。
もともと使いたいFX口座やクレジットカードがあって、せっかくだからとポイントサイトを経由しただけなんです!
べっ別に、ポイント目的でポイ活ノルマをこなしたわけじゃないんだからね!
一時所得を主張する場合は、あくまでもポイ活は労務の対価ではなくて、棚ボタ的にポイントを貰えるのだという理屈を必死に貫くほかないでしょう。
ポイントサイト経由のサービス申込で付与されるポイントは、企業から棚ボタ的に貰えるものとして一時所得が妥当と思われる。
ポイントサイト内のモニター案件やアンケート回答等:雑所得
ポイントサイトでは、何らかのモニター案件をこなしたり、アンケートに回答することでポイントを付与される場合もあります。
この場合は、労務の対価として雑所得とせざるを得ないかと思われます。
参考までに、税務大学校という研究機関が発表した論文があります。
「企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について」(2014年6月26日発表)
2 研究の概要
ロ 雑所得となる場合
質問やアンケートへの回答等の役務提供の対価として付与されるポイントは対価性があるため雑所得となる。
質問やアンケート回答で付与されるポイントは役務提供の対価として雑所得となる、とのこと。
これはあくまでも研究論文であり、国税庁の公式な見解ではないものの、税務理論から導き出された妥当な結論と考えるべきでしょう。
ポイントサイト内のモニター案件やアンケート回答は、労務の対価として雑所得が妥当と思われる。
友達紹介制度によるポイント取得:雑所得or事業所得
ポイントサイトでの稼ぎ方は、セルフポイ活以外にも友達紹介制度(登録報酬、ダウン報酬)があります。
この場合、社会一般的に通用しているアフィリエイトの税務の考え方を準用するのが妥当と思われます。
日本最大級のアフィリエイトサイト「A8.net」(エーハチネット)では、以下の掲載文書があります。
確定申告の区分
アフィリエイトで得た収入は所得区分として、雑所得または事業所得のどちらかに区分されます。雑所得と事業所得については、継続的にある程度の収入があるかないか等により異なります。
上記の考え方をポイ活の友達紹介制度にも適用すると、ポイントサイトをちょっとしたお小遣い稼ぎとして利用している方にとっては雑所得となります。
または、大々的に事業的規模で反復・継続してポイ活紹介を行っているような方ならば事業所得に該当するのが妥当と考えられます。
一般的なアフィリエイトの税務の考え方を準用して、友達紹介制度で獲得したポイントは雑所得ないし事業所得が妥当と思われる。
ポイントサイト関係の所得区分(まとめ)
国税庁のタックスアンサーその他を基に、ポイントサイト関係の税務は以下のような取扱いが妥当と考えます。
ポイント獲得方法 | 所得区分 |
---|---|
サイト経由のサービス申込 | 一時所得 |
サイト内のモニター・アンケート | 雑所得 |
友達紹介制度 | 雑所得or事業所得 |
参考:ヒロ税理士のYouTube動画
ポイント及びポイントサイト周りの税金関係については、ヒロ税理士先生(Twitter:@hirotax)が2021年2月にドンピシャのテーマで動画を出されています。
「ポイ活で稼いだポイントに税金はかかるのか?確定申告は必要か?【非課税?一時所得?所得税の確定申告】」(全21分6秒。うち税金関係の説明は10分3秒頃から)
2020年1月に発出された国税庁タックスアンサーを基に、税理士としての見解を大変わかりやすくご説明されていますので必見です。
また、ヒロ先生の約20年の業界経験上これまでポイントが問題になったことは無く、課税実務は実態に全く追いついていない現状もお話されています。
税務理論と課税実務の乖離
以上のとおり、ポイント及びポイントサイト関係の税金について見てきました。
さて、身も蓋もない話かもしれませんが、これまでお話してきたことは頭の体操あるいは言葉遊びといった内容とも言えます。
正直なところ、税務当局としてはポイントはまだまだオマケ的な位置付けと考えられている節があり、まじめに課税するための仕組み作りが全くと言っていいほど整備されていません。
税務当局が個人のポイントを捕捉する仕組みが無い
現状、ポイント発行企業やポイントサイトからは支払調書を税務署に提出するルールがないため、誰が何ポイントを取得したかを税務署が把握する仕組みがありません。
さらに、国税庁タックスアンサーで示しているとおりポイントは付与時点ではなく使用時点を基準に課税とすると、余計にややこしくなります。
ポイントサイトから別のポイントに交換して、プリペイドカードや電子マネーにチャージしてお買い物をしたり、マイルに交換して航空券の購入に充てたりと、最終的に誰がどこで何ポイントを使用したのかを追跡することなど物理的に極めて困難です。
ただし、証券口座など投資系ではマイナンバーで捕捉されていると考えるべき
株式や投信などの証券口座、FX、暗号資産といった投資系の口座は開設時にマイナンバーの提出が義務付けられています(なお、銀行の預金口座には現状マイナンバーの紐付け義務無し)。
したがって、証券口座等での取引内容、入出金の様子などは原則すべて国税庁に把握されているものと考えた方がよいでしょう。
最近では、主要ポイントを株や投資信託などの購入代金に充当できるため、ポイントを極めて容易に現金化することができます(以下、主なサービス例)。
ポイント名 | 証券会社 |
---|---|
dポイント | SMBC日興証券(日興フロッギー) |
Tポイント | SBI証券、SBIネオモバイル証券 |
pontaポイント | auカブコム証券 |
楽天ポイント | 楽天証券 |
マイナンバーでガチガチに捕捉されている状況下、一時所得で非課税ラインの50万円を大きく超えるような大量のポイントが証券口座に流入するとしたら、さすがに目立ちます。
税務署から何らかのお尋ねが来る可能性は高まるかもしれないと頭の片隅に置いておいたほうが無難です。
お尋ねが来るとしても、トップクラスのポイ活インフルエンサーが優先される
仮に税務署からお尋ねが来るとしても、年間でポイント取得額が数百万円相当以上(推測です)といった、大型SNSアカウントやトップレベルのブロガー・YouTuber等を優先的に調べることと思われます。
セルフポイ活がメインの一般ユーザーレベルでも頑張れば年間100万円相当前後のポイントを取得できますが、それでも税務署から見れば小粒ですので、何らかの調査が入る可能性は極めて低いものと考えられます。
ポイ活ユーザーはどのように税務対応すべきか
理論的にはポイントで経済的利益を得たら課税されるものの、課税実務が全く追いついていない現状を見てきました。
だからといって、ポイントと税金について全く考えずに納税もしなくてよい、と言いたいのではありません。
理論武装のうえ、確定申告をする・しないの判断が大事
国税庁のタックスアンサーその他の材料を基に、ポイ活によって自身が課税対象の経済的利益を得たかどうかを理論構成することが重要です。
その理屈に基づき、確定申告をする・しないを判断しましょう。
ポイント数の管理、証跡を残しておく
年間で何十万ポイントも取得あるいは使用している場合には、確定申告の有無にかかわらず年間ポイント数を集計して管理しておいた方がよいでしょう。
すべてのポイントの出入りを正確に記録することは困難かもしれませんが、特に数万・数十万ポイントといった大量のポイントを取得・使用した時には、ウェブサイト上の明細や、スクリーンショット等の証跡を残しておいたほうが無難です。
後々、税務関係で万が一指摘された際に、自分の身を守ることに繋がります。
心配であれば、管轄の税務署に照会する
後々になって指摘されるリスクを減らしたければ、管轄の税務署に相談のうえ指導にしたがいましょう。
ただ、その際は往々にして「やぶ蛇」となる恐れも十分に覚悟すべきです。
自身では「一時所得・ポイント使用時点」の課税と考えていたものが、税務署で「雑所得・ポイント取得時点」の課税と指導されて、予想外に多くの税金を支払う羽目になる可能性は大いにあり得ます。
税金を多くとりたい税務署職員の匙加減に従わざるを得なくなります。
ふーむ、よう知らんけどポイントサイトってチマチマ雑務をこなすサイトだから雑所得でしょ!
ポイントも現金みたいなものだから、取得時点を基に課税されます!
さぁ、税金払って!
逆に、自己判断したものの後々になって指摘され税務当局との見解の相違が発覚して追徴課税を受ける恐れも、限りなく低いと思われますがゼロではありません。
税務やルールの解釈に絶対はありません。
ここらへんは税務リスクについてのご自身のスタンスに応じて行動していきましょう。
根拠を持って、ポイ活ユーザー各人がしっかりと理論武装をして税務対応を行いましょう!
ご覧いただきありがとうございました💓
当記事のまとめ
国税庁タックスアンサーの記載事項
ポイント付与・使用場面 | 課税の取扱い |
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通常の買い物で付与・使用 | 非課税(確定申告も不要) |
臨時・偶発的なポイント付与 | 一時所得・使用時点で課税 |
医薬品の購入にポイント使用 | ・医療費控除はポイント使用後金額 or ・医療費控除はポイント使用前金額 ・ポイント使用額は一時所得で課税 |
株式等の購入にポイント使用 | 一時所得・使用時点で課税 |
ポイントサイト関係の税務(えまっち私見)
ポイント獲得方法 | 所得区分 |
---|---|
サイト経由のサービス申込 | 一時所得 |
サイト内のモニター・アンケート | 雑所得 |
友達紹介制度 | 雑所得or事業所得 |
当記事は、国税庁のタックスアンサーや税務大学校論文ほか一般的な税務理論を踏まえて、筆者が税務解釈の私見を述べているものです。
内容の正確性については保証いたしかねますので、具体的な税務対応は自己責任の原則を持って判断いただき、必要に応じて税務の専門家ないし税務署等へご相談ください。